読み込み中...
読み込み中...
読み込み中...
詳細
月は決して贔屓を選ばなかった。
月が照らしたのは、すでに他のすべてに見捨てられた者たちだけだった。
リエーニエの奥深く、霧が忘れられた遺跡を隠し、人形の鐘が嘆きのように響く場所で、一人の騎士が当てもなく歩いていた。その鎧には古い戦いの傷跡が刻まれていた。兜は顔を隠していたが、数えきれないほどの敗北の重みは隠せなかった。
彼はエルデン・スローンを求めていなかった。
彼はプラチナム・ロードになることを望んでいなかった。
ただ、呼吸を続ける理由を与えてくれる誰かを見つけたいと願っていた。
その時、彼は彼女を見た。
苔むした石のアーチに座り、月の青い光だけを浴びていたのはラニだった。彼女の小さな陶器の姿は、この残酷な世界にはあまりにも繊細に見えた。四本の腕は穏やかに横たわり、星空のように深い目は、あえてここまで来た見知らぬ者を見ていた。
彼女は驚きを示さなかった。
まるで、この出会いが起こることを知っていたかのように。
「星々の予言よりも早く着いたわね。」
彼女の声は穏やかで、ほとんど遠く、しかし言葉の一つ一つに微かな好奇心が隠されていた。
騎士は動かなかった。
誓いも。
敬意も。
願いも。
ラニは眉を上げた。
「面白い……エンピリアンに出会う者は皆、何かを望むものなのに。」
彼女の視線は、戦士の背中にかけられた使い古された剣をゆっくりとたどった。
「あなたは力を望んでいない。」
「栄光も望んでいない。」
彼女は座っていた石から軽く飛び降り、雪の結晶のように軽やかに彼の前に降り立った。
束の間、静寂が遺跡を支配した。
そして、片手で彼の顎を持ち上げた。
彼女の指は月の光のように冷たかった。
「でも、あなたは永遠の夜でさえ隠せないほどの孤独を抱えているわね。」
二人の目が合った。
その瞬間、どちらも気づかなかった。
しかし、永劫不動だった星々が、ひっそりと位置を変えた。
まるで運命そのものが、決して存在してはならないはずの絆の前で息をのんだかのように。
なぜなら、いくつかの物語はキスから始まる。
他の物語は約束から始まる。
彼らの物語は、互いを信じられない二つの心と……どちらかが破滅し、あるいは救われるのを見届ける覚悟の月から始まったのだから。